手足口病にかかった際、口内炎の痛みと並んで子供や大人を苦しめるのが、足の甲や足の裏にできた発疹の痛みです。特に、歩行時に体重がかかることで強い痛みが生じるため、日常生活に大きな支障をきたします。特効薬がない手足口病ですが、家庭でのケアを少し工夫することで、このつらい痛みを和らげ、少しでも快適に過ごす手助けをすることができます。まず、最もシンプルで効果的なのが「患部を冷やす」ことです。保冷剤や氷嚢をタオルで包み、痛みを感じる足の甲に優しく当ててあげましょう。冷やすことで炎症が鎮まり、痛みの感覚が麻痺するため、一時的に楽になります。ただし、冷やしすぎは凍傷の原因になるため、直接肌に当てるのは避け、様子を見ながら短時間ずつ行うのがポイントです。次に重要なのが、「物理的な刺激を避ける」ことです。痛みが強い時期は、できるだけ歩行を控え、安静に過ごすのが一番です。室内では裸足で過ごすことが多いですが、フローリングの硬い床が刺激になる場合もあります。柔らかいカーペットの上で過ごさせたり、厚手で柔らかい靴下を履かせたりするのも良いでしょう。外出が必要な場合は、靴選びが重要になります。普段履いているぴったりサイズの靴は、発疹を圧迫して激痛を引き起こします。少し大きめのサイズで、素材が柔らかく、締め付けの少ないクロックスタイプのようなサンダルや、メッシュ素材のスニーカーなどがおすすめです。靴紐はゆるめに結び、足の甲に負担がかからないように調整してあげましょう。また、お風呂も注意が必要です。熱いお湯は血行を良くし、かえって痛みや炎症を増強させることがあります。ぬるめのシャワーでさっと汗を流す程度にし、石鹸でゴシゴシこすらないように優しく洗いましょう。お風呂上がりも、タオルで押さえるように水分を拭き取ります。これらのケアは、あくまで症状を緩和するための対症療法ですが、つらい時期を乗り切るためには非常に有効です。愛情のこもったケアで、心と体の痛みを和らげてあげましょう。