朝、目が覚めた時、指がこわばって動かしにくい。関節が腫れて熱っぽく、ズキズキと痛む。こうした症状が続いた時、多くの人が「もしかしてリウマチかもしれない」という不安を抱きます。しかし、その次に「一体、何科の病院へ行けばいいのだろう」という疑問に直面することは少なくありません。関節の痛みだから整形外科?それとも、全身の病気だから内科?この最初の選択が、その後の治療の行方を大きく左右することもあります。結論から申し上げると、関節リウマチが疑われる場合に受診すべき最も専門的な診療科は「リウマチ科」あるいは「膠原病(こうげんびょう)内科」です。関節リウマチは、単なる関節の病気ではありません。本来、体を守るべき免疫システムに異常が生じ、自分自身の関節を攻撃してしまう「自己免疫疾患」という全身性の内科疾患です。そのため、免疫システムの異常を専門的に扱うリウマチ科や膠原病内科が、診断から治療までを一貫して行うのに最も適しています。これらの専門科の医師は、関節リウマチの診断に必要な血液検査(リウマトイド因子や抗CCP抗体など)や、関節エコー、レントゲンといった画像検査の結果を総合的に解釈し、他の似たような病気と鑑別する高度な知識と経験を持っています。そして、近年のリウマチ治療の柱となっている生物学的製剤やJAK阻害薬といった専門的な薬剤を、患者さん一人ひとりの状態に合わせて適切に使い分けることができます。もし、お住まいの地域にリウマチ科や膠原病内科がない場合は、まずは「日本リウマチ学会専門医」が在籍している「内科」や「整形外科」を探すのが良いでしょう。特に内科系のリウマチ専門医は、関節だけでなく、リウマチに伴う可能性のある内臓の合併症にも目を配った全身的な管理が期待できます。関節の痛みで悩んだ時、最初の扉としてリウマチ科・膠原病内科を選ぶこと。それが、関節破壊の進行を食い止め、これまでと変わらない日常生活を送るための、最も重要で確実な第一歩となるのです。
リウマチを疑ったら、まず行くべき診療科