手足口病は一般的に子供の病気というイメージが強いですが、免疫がなければ大人も感染します。そして、大人が手足口病にかかった場合、子供に比べて症状が格段に重くなる傾向があり、特に足の甲や足の裏に現れる発疹は、耐え難いほどの痛みを伴うことがあります。子供の場合、足の発疹はかゆみを伴うこともありますが、痛みを訴えることは比較的少ないか、あっても軽度なことが多いです。しかし、大人が発症すると、その痛みは全く次元が異なります。多くの経験者が「画鋲を靴の中に入れて歩いているよう」「針で絶えず突き刺されているような痛み」と表現するように、非常に鋭く、激烈な痛みが特徴です。この痛みは、足の甲や足の裏にできた水疱性の発疹が、体重をかけることや歩行による物理的な刺激で圧迫されることによって生じます。そのため、立っているだけで激痛が走り、歩行が困難になるケースも少なくありません。靴を履くことはおろか、靴下が触れるだけで痛むため、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。発疹の見た目自体は子供の場合と大きく変わりませんが、数が多く、より広範囲に広がる傾向があります。足の甲から足首、さらにはすねの方まで発疹が及ぶこともあります。この激しい痛みは、発疹が出現してから数日間がピークで、その後徐々に和らいでいきますが、完全に痛みが引くまでには一週間以上かかることもあります。このつらい時期を乗り切るためには、できるだけ安静にし、歩行を最小限にすることが何よりも大切です。仕事も可能であればデスクワークに切り替えてもらったり、在宅勤務にしたりといった配慮が必要になるでしょう。また、患部を冷やすことで痛みが多少和らぐこともあります。大人の手足口病は、単なる夏風邪と侮ってはいけません。特に足の甲や裏の激痛は、この病気の最もつらい症状の一つであり、十分な休養と対症療法が不可欠であることを覚悟しておく必要があります。
大人がかかると激痛?手足口病の足の甲の症状