肺炎と診断され、自宅での療養(外来治療)となった場合、早く回復するためには、医師から処方された薬を正しく服用することに加えて、日常生活での過ごし方にもいくつかの注意点があります。安静に過ごし、体の回復を最優先させることが基本となります。まず、最も大切なのが「処方された抗菌薬(抗生物質)を必ず飲み切る」ことです。服用を始めて二、三日経つと、熱が下がったり咳が楽になったりして、「もう治った」と感じることがあります。しかし、この段階ではまだ肺の中の細菌が完全にいなくなったわけではありません。ここで自己判断で薬をやめてしまうと、生き残った細菌が再び増殖して病気が再燃したり、薬が効きにくい耐性菌を生み出してしまったりする原因になります。医師から指示された期間、必ず最後まで薬を服用してください。次に、「十分な休養と栄養、水分補給」です。肺炎との戦いは、体力を非常に消耗します。仕事や学校は無理せず休み、できるだけ横になって体を休ませることに専念しましょう。睡眠をしっかりとることも、免疫力を高める上で重要です。食事は、消化が良く、栄養価の高いものを摂るように心がけてください。高熱や咳で食欲がないかもしれませんが、おかゆやスープ、ゼリーなど、食べやすいものから少しずつ口にしましょう。また、発熱や呼吸によって体から水分が失われやすいため、脱水を防ぐために、意識して水分をこまめに摂ることが大切です。部屋の環境を整えることも忘れてはいけません。空気の乾燥は、咳を悪化させたり、痰を出しにくくしたりします。加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりして、室内の湿度を50〜60%程度に保つようにしましょう。定期的な換気も重要です。喫煙は、肺にさらなるダメージを与え、回復を著しく遅らせるため、療養期間中は絶対にやめてください(禁煙するのが理想です)。そして、もし自宅療養中に、息苦しさが悪化する、唇の色が紫色になる、意識が朦朧とするといった症状が現れた場合は、病状が悪化しているサインです。ためらわずに、すぐに病院に連絡するか、救急車を呼んでください。自己管理を徹底し、安全に療養期間を乗り切りましょう。