もし、あなたのパートナーや親、兄弟といった大切な家族が「関節リウマチ」と診断されたら、ご本人だけでなく、家族も大きな不安や戸惑いを感じることでしょう。病気のことがよく分からず、どう接すればいいのか、何を手伝えばいいのか悩むかもしれません。しかし、家族の理解と適切なサポートは、患者さんが病気と前向きに向き合い、治療を続けていく上で、薬と同じくらい、あるいはそれ以上に大切な力となります。まず、家族がすべき最も重要なことは、「病気を正しく理解する」ことです。関節リウマチが、単なる関節痛ではなく、免疫システムの異常による全身性の病気であること。そして、近年の治療の進歩により、早期に適切な治療を受ければ、多くの人が普通の生活を送れるようになっていること。こうした正しい知識を持つことで、不必要な心配や誤解をなくし、冷静に患者さんを支えることができます。そのためには、ぜひ一度、患者さんと一緒に専門医(リウマチ科・膠原病内科)の診察に同席することをお勧めします。医師から直接説明を聞くことで、病状や治療方針への理解が深まり、家族として何をすべきかが見えてくるはずです。次に、日常生活における「物理的なサポート」です。特に、朝のこわばりが強い時や、関節の痛みが悪化している時には、ペットボトルの蓋を開ける、瓶のジャムを開ける、重い荷物を持つといった、指や手首に負担のかかる作業が非常につらくなります。そうした場面で、「手伝おうか?」と声をかけ、さりげなく代わってあげる優しさが、患者さんの負担を大きく軽減します。また、精神的なサポートも不可欠です。リウマチは、痛みやだるさといった目に見える症状だけでなく、将来への不安や、思うように体が動かないことへの焦り、気分の落ち込みといった、目に見えないつらさを伴います。「痛い」「つらい」という訴えを、「大げさだ」とか「気のせいだ」と否定せず、「そうか、つらいね」と、まずは共感的に耳を傾けてあげてください。ただ話を聞いてくれる存在がいるだけで、患者さんの心は軽くなります。病気と闘うのはご本人ですが、家族は一番身近な応援団です。正しい知識と温かい心で、大切な人を支えていきましょう。
家族がリウマチと診断されたら。周囲ができるサポート