子供の足の甲に、見慣れない赤い発疹を見つけた時、保護者の方は驚き、不安になるかもしれません。特にそれが水ぶくれを伴っている場合、「何か悪い病気では」と心配になるのも当然です。しかし、もしその発疹と同時に、手のひらや口の中にも同様の変化が見られたり、微熱や食欲不振といった症状があったりするならば、それは夏風邪の代表格である「手足口病」の典型的なサインである可能性が非常に高いです。慌てずに、まずは冷静に子供の全身状態を観察することが大切です。手足口病は、そのほとんどが自然に治癒する予後良好な疾患です。特効薬はなく、治療は症状を和らげる対症療法が中心となります。したがって、家庭でのケアと観察が非常に重要な役割を果たします。まず確認すべきは、子供の機嫌と水分補給の状態です。口の中にできた口内炎の痛みで、食事や水分を摂るのを嫌がることがあります。脱水症状に陥らないよう、麦茶やイオン飲料、牛乳、冷たいスープなど、本人が受け入れやすいものを少量ずつこまめに与えるようにしましょう。足の甲の発疹については、痛みを伴うことが多いという点を理解しておくことが重要です。子供が歩くのを嫌がったり、抱っこをせがんだりするのは、甘えているのではなく、本当に痛いからです。無理に歩かせず、室内で安静に過ごせる環境を整えてあげましょう。発疹を無理に潰したり、掻き壊したりしないように注意し、清潔を保つことも大切です。通常、発疹は一週間程度で自然に消えていきます。その後の皮むけも、回復過程の一環です。ただし、ごく稀ではありますが、手足口病は髄膜炎や脳炎といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。もし、高熱が続く、ぐったりして意識がはっきりしない、頭痛や嘔吐を繰り返す、といった危険なサインが見られた場合は、夜間や休日であっても、ためらわずに救急外来を受診してください。足の甲の発疹は、病気の始まりを告げるサイン。冷静な観察と適切なケアで、お子さんの回復を見守りましょう。