喉が焼けるように痛い。唾を飲み込むのさえつらい。でも、熱はないし、体もそれほどだるくはない。こんな時、あなたならどうしますか。「市販の喉スプレーで様子を見よう」「いつもの風邪だろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、その「喉の痛みだけ」という症状こそ、大人の溶連菌感染症の隠れたサインである可能性があります。熱が出ないことで油断し、受診が遅れると、思わぬ合併症に繋がることもあるため、適切な診療科を知っておくことが大切です。溶連菌感染症が疑われる場合に、最も専門的な診断と治療が受けられる診療科は「耳鼻咽喉科」です。耳鼻咽喉科医は、喉の粘膜の状態を直接、詳細に観察するプロフェッショナルです。喉の奥(咽頭・扁桃)が真っ赤に腫れていないか、白い膿(白苔)が付着していないか、口蓋垂(のどちんこ)の周りに点状の出血(点状紅斑)がないか、といった溶連菌感染症に特徴的な所見を、専門的な視点で見極めることができます。そして、診断を確定させるために、喉の粘膜を綿棒でこすって調べる「迅速検査」を行います。この検査は、十数分程度でその場で溶連菌がいるかどうかを判定できる非常に優れた検査です。この迅速検査で陽性となれば、診断は確定です。もちろん、かかりつけの「内科」でも、溶連菌の診断と治療は可能です。多くの内科クリニックでも迅速検査キットを備えており、一般的な溶連菌感染症であれば、内科で十分に対応できます。普段から自分の体調を把握してくれているかかりつけ医がいる場合は、まずそこで相談するのも良いでしょう。重要なのは、熱がないからといって自己判断で済ませないことです。特に、家族内(特にお子さん)で溶連菌にかかった人がいる場合や、喉の痛みが尋常ではないと感じる場合は、感染の可能性がより高まります。耳鼻咽喉科または内科を受診し、迅速検査で原因をはっきりさせ、もし溶連菌であれば、合併症を防ぐために処方された抗菌薬を最後までしっかりと飲み切る。それが、熱のない大人の溶連菌感染症と正しく向き合うための鉄則です。