子どもの様子がいつもと違うと感じた時、それがどのような病気なのか、症状が今後どう変化していくのかを知ることは、親の不安を和らげる上で非常に重要です。りんご病は、その症状の現れ方が非常に特徴的で、時系列を追って理解することで、病気の全体像を把握しやすくなります。まず、最初の段階は「潜伏期間」です。ウイルスに感染してから症状が現れるまで、およそ十日から二十日ほどの期間があります。この間は全くの無症状で、子どもは元気に過ごしています。次に訪れるのが「カタル期」と呼ばれる時期です。感染から十日から二十日後に、微熱、鼻水、咳、頭痛、筋肉痛、倦怠感といった、風邪とそっくりな症状が数日間現れます。この時期は、ウイルスが体内で最も活発に増殖しており、咳やくしゃみなどを通じて周囲に感染を広げる可能性が最も高い期間です。しかし、この段階でりんご病と診断することは、医師であっても非常に困難です。そして、このカタル期が終わる頃、つまり風邪のような症状が軽快してきた頃に、りんご病の最も特徴的な症状が現れます。それが「発疹期」の始まりです。まず、両頬に蝶が羽を広げたような形、あるいは平手で叩かれたような、境界のはっきりした赤い発疹が出現します。この「りんごほっぺ」の状態は数日間続きます。子どもによっては、この時に再び微熱が出ることがあります。頬の発疹が出現してから一、二日経つと、次に腕や脚、特に関節の周りやお尻などに、赤い斑点状の発疹が広がります。これらの発疹は、中心部分の色が抜けて、まるでレース編みや網目模様のように見えるのが特徴です。体幹、つまりお腹や背中にはあまり出ない傾向があります。このレース状の発疹は、通常一週間から十日ほどで徐々に消えていきますが、ここからが少し厄介な「回復期」です。発疹が完全に消えた後も、数週間から時には一ヶ月以上にわたって、日光に当たったり、お風呂に入ったり、運動をしたり、あるいはストレスを感じたりすると、一度消えたはずの発疹が再び同じ場所に現れることがあります。これは病気の再発ではなく、血管の反応によるものと考えられています。この一連の経過を知っていれば、症状の変化に一喜一憂することなく、落ち着いて見守ることができるでしょう。
りんご病の症状を時系列で詳しく追う