突然の咳込み、息苦しさ、呼吸をするたびに「ゼーゼー」という音がする。これらは喘息の典型的な症状ですが、「風邪かな？」と自己判断してしまいがちです。しかし、喘息は放置すると重症化する可能性もあるため、早期に適切な医療機関を受診することが大切です。では、喘息が疑われる場合、一体何科を受診すれば良いのでしょうか。大人の喘息の場合、迷わず「呼吸器内科」を受診しましょう。呼吸器内科は、気管支、肺、胸膜など、呼吸器全般の疾患を専門的に診断し、治療を行います。喘息の診断には、症状の問診だけでなく、肺機能検査（スパイロメトリー）で気道の状態を詳しく調べたり、場合によっては気道過敏性検査を行うこともあります。これらの専門的な検査を通じて、喘息であるか否かを正確に判断し、症状の程度に応じた吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの処方を行います。呼吸器内科医は、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立て、喘息発作の予防と症状のコントロールをサポートしてくれます。喘息の中には、アレルギーが原因で引き起こされる「アレルギー性喘息」があります。ハウスダスト、ダニ、花粉、ペットのフケなどがアレルゲンとなり、症状を引き起こすケースです。このような場合は、「アレルギー科」の受診も検討すべきです。アレルギー科では、血液検査や皮膚プリックテストなどを用いて、どのアレルゲンが喘息の原因となっているかを特定します。アレルゲンが特定できれば、その物質を日常生活から除去するためのアドバイスや、アレルギー症状を緩和するための薬物療法、さらにはアレルゲン免疫療法といった治療も可能になります。呼吸器内科とアレルギー科が連携することで、アレルギー原因への対策と呼吸器症状への対処を同時に進め、より効果的な喘息管理が期待できます。お子さんの喘息については、「小児科」または「小児アレルギー科」が専門となります。子どもの呼吸器は成長途中であり、大人の喘息とは異なる診断基準や治療法が適用されることがあります。小児科医は、お子さんの成長と発達を考慮しながら、喘息の診断と治療を行います。特に乳幼児の場合、症状が風邪と区別しにくいこともありますが、経験豊富な小児科医が丁寧に診察し、適切な治療方針を立ててくれます。また、吸入器の正しい使い方や、学校生活での注意点など、親御さんへの指導も行ってくれます。