日常生活の中でふとした瞬間に自分の脈拍が乱れていると感じたり、胸が締め付けられるような動悸を覚えたりすることは、決して珍しいことではありません。こうした不整脈の症状を自覚した際、まず何科を受診すべきかという問いに対する最も適切な答えは、循環器内科です。心臓は私たちの体の中で一時も休むことなく血液を送り出し続ける重要な臓器であり、その拍動は心臓内の電気信号によって精密にコントロールされています。この電気的なリズムが乱れる状態が不整脈ですが、その背景には単なる過労やストレスだけでなく、心筋梗塞や心不全、弁膜症といった命に関わる重大な疾患が隠れている可能性があります。循環器内科は、まさに心臓と血管の専門家が集まる診療科であり、心電図検査をはじめとする様々な高度な診断機器を用いて、その不整脈がどのような種類のものであるか、そして治療が必要なものであるかを的確に判断してくれます。不整脈には、脈が速くなる頻脈、遅くなる徐脈、そしてリズムが飛ぶ期外収縮など様々なタイプがありますが、これらを自己判断で見極めることは極めて危険です。例えば、自分ではただの立ちくらみだと思っていたものが、実は一時的な心停止を伴う徐脈による脳血流の低下であったり、激しい動悸が脳梗塞の原因となる心房細動の予兆であったりすることもあります。循環器内科を訪れると、まずは標準的な十二誘導心電図検査が行われますが、不整脈は常に現れているとは限らないため、二十四時間の心拍を記録するホルター心電図検査などが追加されることも一般的です。こうした精密な検査を通じて、医師はあなたの心臓が発している微細なサインを読み解き、薬物療法が必要なのか、あるいはカテーテルアブレーションやペースメーカーといった外科的なアプローチが必要なのかを検討します。もちろん、地域の小さな内科クリニックでも初期の相談は可能ですが、最終的な診断と治療方針の決定には循環器専門医の知識が不可欠となります。不整脈の多くは放置しても問題のない良性のものですが、その判断を下せるのは専門的な訓練を受けた医師だけです。自分の心臓を守ることは、自分の人生を守ることと同義です。少しでも脈の乱れや胸の違和感を覚えたら、迷わず循環器内科の門を叩いてください。それが健康な未来を確実なものにするための第一歩となります。早期に受診することで、不必要な不安から解放されるだけでなく、もし病気が隠れていたとしても、現代の進歩した医療技術によって多くの不整脈は克服できる時代になっているのです。
不整脈の症状を感じたら循環器内科を受診しましょう