私は三十代の会社員ですが、ある年の夏、経験したことのない股間の強烈なかゆみに襲われました。最初は単なる蒸れだろうと思い、市販のデリケートゾーン用の塗り薬を塗って凌いでいました。しかし、かゆみは引くどころか、太ももの付け根に沿って赤い輪っかのような湿疹が広がり始め、夜も眠れないほどになったのです。インターネットで検索すると「いんきんたむし」という言葉が目に入り、強いショックを受けました。不潔にしていたつもりはなかったのですが、ジムの脱衣所やサウナなどで感染したのかもしれません。何よりも「もし病院へ行って、いんきんたむしだと言われたら恥ずかしい」という思いが強く、なかなか受診に踏み切れませんでした。しかし、歩くたびに下着が擦れて痛むようになり、ついには意を決して近所の皮膚科を受診することにしました。受付で「股間のかゆみと発疹」と症状を伝えるときは緊張しましたが、看護師さんも受付の方も淡々と対応してくれ、特別視されることはありませんでした。診察室に入ると、医師は一目で「ああ、白癬の可能性がありますね」と言い、ピンセットで少しだけ皮膚の表面を採取しました。そのまま隣の顕微鏡で確認し、数分後には「白癬菌がしっかり見えます。いんきんたむしですね」と診断されました。あんなに悩んでいた自分の病名がはっきりと告げられた瞬間、恥ずかしさよりも「これで正しく治療できる」という安堵感の方が勝りました。処方されたのは抗真菌薬のクリームで、一日に一度お風呂上がりに塗るだけというシンプルなものでした。驚いたのはその効果です。塗り始めて三日目にはあんなに激しかったかゆみがスッと消え、一週間もすると赤い発疹も薄くなってきました。医師からは「菌はしぶといので、見た目が治っても最低一ヶ月は塗り続けてください」と念を押されました。もしあのまま病院に行かず、自己流のケアを続けていたら、今頃どうなっていたか分かりません。皮膚科へ行くのは確かに少しの勇気がいりますが、一度診察を受けてしまえば、プロの適切な処置によって驚くほど早く苦痛から解放されます。一人で悩み、間違った薬で悪化させるよりも、皮膚の専門医を頼ることがいかに大切か、身をもって体験しました。今では完治し、快適な毎日を過ごせています。
股間のかゆみを放置せず皮膚科を受診した私の体験