私は長年、ひどい立ちくらみや疲れやすさを「女性にはよくある体質」だと思い込んで過ごしてきました。毎月の生理が重かったこともあり、多少のふらつきは当たり前で、市販の鉄分サプリメントを飲んでいれば大丈夫だと過信していたのです。しかし、ある夏の暑い日、通勤電車の中で急に目の前が真っ暗になり、気づいたときには駅のホームで倒れ込んでいました。周囲の方々に助けられ、そのまま救急外来へ運ばれるという、自分でも信じられないような事態に陥ったのです。病院での検査結果は、ヘモグロビン値が通常の半分近くまで低下している深刻な鉄欠乏性貧血でした。医師からは「よくこの数値で普通に生活していましたね」と驚かれるほどでした。私の心臓は、薄くなった血液で全身を支えるために、毎日全力疾走しているのと同じくらいの負荷がかかっていたというのです。もし、あの時倒れていなければ、私は今でも「ただの疲れ」として放置し続け、取り返しのつかないダメージを体に蓄積させていたかもしれません。入院こそ免れましたが、そこから数ヶ月にわたる鉄剤の服用と定期的な通院が始まりました。治療を始めて一ヶ月が経った頃、私は自分の体の変化に驚きました。朝の目覚めが以前とは比べものにならないほどスッキリし、階段を上っても息が切れなくなったのです。それまで当たり前だと思っていた「だるさ」や「息苦しさ」は、実は貧血による異常事態だったのだと初めて痛感しました。病院へ行くべきか迷っている方に、私の経験から伝えたいのは、自分の感覚を信じすぎないでほしいということです。人間の体は、少しずつ進行する不調に対して驚くほど順応してしまいます。そのため、本来であれば異常な状態であっても「これが自分の普通だ」と勘違いしてしまうのです。特に仕事や家事に追われていると、自分のケアは二の次になりがちですが、倒れてしまってからでは周囲にかける迷惑も大きくなります。また、私の場合は婦人科的な問題が貧血の根本原因だったことも判明しました。病院で精密検査を受けたからこそ、単なる鉄分補給だけでなく、元となる疾患の治療にも繋がったのです。サプリメントはあくまで補助であり、病気を治すものではありません。もし、あなたが少しでも「最近ふらつくことが多いな」と感じているなら、それは決して気のせいではありません。どうか私のようになす術もなく倒れる前に、一度しっかりとした血液検査を受けてください。健康な血の巡りが、どれほど自分の精神と身体を前向きに変えてくれるか、それを知るためにも病院受診は欠かせないステップなのです。
立ちくらみを放置して倒れた私の体験と病院受診の重要性