我が子の発達に不安を感じ始めたとき、いきなり大きな病院の門を叩くのは勇気がいるものです。予約も数ヶ月待ちであることが多く、その間に不安はさらに増幅してしまいます。まず親御さんが踏み出すべき一歩は、家庭内での「客観的な観察」と、身近な「相談機関の活用」です。まずは、どのような場面で子供が困っているのか、逆にどのような時には落ち着いているのかを、日記やメモに残してみてください。これは後の診断の際、医師に状況を伝えるための非常に重要な資料になります。「何となくおかしい」という漠然とした不安を言葉にすることで、親自身の心も整理されていきます。次に、居住地の自治体が提供している乳幼児健診や、子育て支援センターの相談員を活用しましょう。彼らは多くの子供たちを見てきているため、専門病院へ繋ぐべきかどうかの適切なアドバイスをくれます。また、保育園や幼稚園、学校の先生との情報共有も欠かせません。家庭で見せる顔と、集団の中で見せる顔は異なる場合が多いからです。もし先生からも同様の懸念が示されたのであれば、それは受診を検討すべき強力なサインとなります。しかし、ここで大切なのは、配偶者や家族との歩調を合わせることです。片方が強く受診を希望しても、もう一方が否定的な場合、診断を受けるプロセス自体が家族の不和を招くことがあります。「診断を受けさせる」ことが目的ではなく、「子供がより楽に過ごせる方法を見つける」という共通の目標を確認し合うことが、第一歩として何より重要です。専門機関への受診を決めたら、発達障害を専門とする児童精神科や小児神経科を探しますが、その際は地域の発達障害者支援センターなどに問い合わせて、評判や特徴を聞いてみるのも良いでしょう。診断を受けるかどうかという決断は、一晩で出す必要はありません。少しずつ情報を集め、周囲の理解を得ながら、納得できるタイミングで進めていけば良いのです。その一歩一歩が、子供をより深く理解するための貴重なプロセスとなります。焦らず、まずは目の前の小さな違和感を「知る」ことから始めてみてください。
発達障害の疑いを感じた時に親がまず踏み出すべき一歩