冬場に欠かせない使い捨てカイロや湯たんぽ、電気毛布などが原因で起こる低温火傷は、一般的な熱湯や火による火傷とは異なる特有の恐ろしさを持っています。その名の通り、比較的低い温度で長時間皮膚が加熱されることによって生じるため、直後は単なる「少し赤い程度」に見えることが多く、多くの人が「これくらいなら大丈夫だろう」と見過ごしてしまいがちです。しかし、ここに大きな落とし穴があります。低温火傷の正体は、皮膚の深い部分がじわじわと調理されるように損傷している状態であり、表面の赤みに対して内部の組織破壊が深刻である場合が非常に多いのです。このような低温火傷に気づいた際、速やかに受診すべきなのは皮膚科、または形成外科です。なぜなら、低温火傷は非常に治りにくく、放置すると組織が壊死し、外科的な処置が必要になるケースが少なくないからです。皮膚科では、まず特殊な拡大鏡や触診によって、皮膚の奥のダメージを評価します。一見すると小さな水ぶくれでも、その下の真皮が死んでいることがあり、適切な処置を怠ると細菌感染を起こして傷口が深くえぐれてしまうことさえあります。また、形成外科を受診するメリットは、壊死した組織を適切に取り除く「デブリードマン」という処置が必要になった場合に、その場で対応してもらえる点にあります。低温火傷は回復までに数週間から数ヶ月を要することも珍しくなく、長期的な通院が必要になることも多い疾患です。自己判断で市販のパッチを貼ったり、放置して自然治癒を待ったりすることは、重症化を招く最も危険な行為と言えます。特に糖尿病などの持病がある方は、足先の感覚が鈍くなっているために低温火傷に気づきにくく、かつ血流が悪いので傷が非常に治りにくいというリスクを抱えています。少しでも「熱いものに長時間触れていた場所が赤い」「痛みがじわじわ続く」と感じたら、見た目に惑わされず専門医の門を叩いてください。低温火傷は、早期発見と根気強い専門治療こそが、合併症を防ぎ綺麗に治すための唯一の方法です。
低温火傷の怖さと何科で診てもらうべきかという真実