育児休業を終えて復職した直後、保育園からの呼び出しで始まった我が子の突発性発疹。初めての高熱に私は動転しましたが、ベテランの保育士さんから「多分突発だから、熱が下がった後の不機嫌さに気をつけてね」と言われ、心の準備をしていました。三日三晩、座薬を使いながら夜通し看病し、ようやく四日目の朝に熱が平熱まで下がりました。さて、ここからが不機嫌病の本番だと、私は娘の肌を見守りました。ところが、待てど暮らせど、あのおどろおどろしいと言われる発疹が出てきません。お風呂の時に注意深く見ると、脇の下とお腹の横に、薄いピンク色の斑点が数えるほどあるだけでした。私は拍子抜けしてしまい、「不機嫌病というわりには、発疹がこれだけなら機嫌もそんなに悪くならないのでは?」と甘い期待を抱きました。しかし、その期待は無残にも打ち砕かれました。発疹の少なさに反比例するように、娘の機嫌の悪さは過去最大級だったのです。何を食べさせてものけぞって拒否し、お気に入りのおもちゃも投げ捨て、寝床についても一時間おきに泣いて起きる。抱っこ以外はすべて拒絶という地獄のような日々が始まりました。発疹が少ないからといって、脳や神経への影響、そして本人が感じる「だるさ」や「不快感」が軽いわけではないのだと、身をもって思い知らされました。もし発疹が全身に出ていれば、私も「病気だから仕方ない」と割り切れたかもしれません。しかし、見た目は普段とほとんど変わらないのに中身だけが猛烈に不機嫌な娘を前にして、私の精神も削られていきました。このとき助けになったのは、同じ経験をしたママ友からの「発疹の量と不機嫌さは関係ないよ。むしろ発疹が少ない方が、終わりの見極めが難しくて辛いよね」という言葉でした。突発性発疹における発疹は、親にとっての「免罪符」のようなものだと思いました。それがあれば、周囲にも「今、突発だから大変で」と言い訳ができます。しかし、それが少ないと、ただ自分が育児に苦戦しているだけのような錯覚に陥ってしまうのです。これから突発性発疹を迎える、あるいは今直面している親御さんに伝えたいのは、発疹の数は重要ではないということです。たとえ数個の発疹であっても、熱の後に現れたのであれば、それは立派な病気のサインです。そして、見た目が元気そうでも、本人の心と体は戦い疲れているのだと理解してあげてください。発疹の少なさに油断せず、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ忍耐強さこそが、この病気を乗り越えるための唯一の装備なのだと私は学びました。